駅にはすでにグリーンさんがいた。



ここはあたしの方が早く来ないといけないでしょ!?



「すいません。待ちましたよね」

「そんなことないわ。この近くにちょっと用事があったから早めに来ただけ。気にしないで」



電車に乗ってエッフェル塔が見えるカフェの目に着いた。



そのカフェに入ってそれぞれ注文をした。



「優希をスカウトしたいの」

「えっ!?」

「あたしの知り合いがやってるレストランになんだけどどうかな??」



グリーンさんが唐突にそんなことを言い出した。



「え…っと、どうしてですか??」

「あなたに才能があるからよ」



詳しく聞いてみるとあたしがスカウトされたその店はこの辺でも結構有名な1流レストランだった。



そこのオーナーが最近変わったみたいで店もやり方を根本から変えてらしい。



そのオーナーさんがグリーンさんの知り合いらしくて腕の立つシェフを探してるんだとさ。



それがあたしってことだよね。



ちょっと荷が重い気が……



「これはチャンスよ。世界に西野優希を知ってもらうめのいいチャンス」

「でも……」

「何を迷う必要があるの。Mr.悠稀のこと??彼なら大丈夫よ。反対するわけないわ」



それは分かってる。



悠稀はあたしのことを誰よりも応援してくれるから。



問題はあたし自身の気持ち。