そう言うと席を立った。
映画の撮影はまだ終わってないからエミリーにはまた逢う。
でも、今考えるのはエミリーのことじゃない。
優希のことだ。
アイツ、距離離れると途端に気持ちが弱くなるからきっと不安だろう。
早急に誤解を解かないと。
俺はその足で空港へ向かった。
行き先はもちろん
―――――パリ
俺が優希に逢いたいから。
空港はたくさんの人でごった返していた。
人をかきわけてパリ行きの飛行機に乗った。
飛行機の中では落ちつかなくてずっとソワソワしていた。
飛行機に乗ること数時間やっとパリに着いた。
……。
ここまで来たのはいいけどアイツのいる場所分かんねー……。
どうする、俺。
「悠稀!!」
その時、遠くの方から俺を呼ぶ声が聞こえた。
この声は優希の声だ。
間違いない。