唇を離したら優希の激しい息づかいが聞こえてきた。
「息の仕方もわかんねーのかよ」
「うるさい!!」
それはそれで嬉しいんだけどな。
てか、嬉しい以外なんもない。
「ちょっと下、行ってくるから待ってろ」
そう言い残し、鬼のようなお袋のもとへ向かった。
お袋は階段の踊場に仁王立ちしていた。
「……」
怖っ!?無言で手を差し伸べるとかマジ怖い…
素直にテストを渡し、その場を離れようとした。
「ちょっと悠ー!!あんたまた点数悪くなったんじゃないの!?このままじゃ留年するわよ」
「忙しくて学校行けてないからこれ以上上げるのは無理」
「だったら、仕事辞めなさい」
「無理」
「あんたの仕事に対する気持ちは十分分かってるけどもし留年でもしたら無理やりにでも辞めさせるから」
はぁ!?マジ無理。
学歴がそんなに大事なのか。