「終わったぞ」










ブシュー!!










そう眠り猫が言った途端、後ろに居た黄鬼は物凄い勢いで体中から血を飛び散らせた!









ドシャ……










目を見開かせ、自分に何が起こったか分からぬまま、静かにその場に落ちていった。












「あ……バカ……な……。何故……私に攻撃が……?」











あの状況下の中で眠り猫の爪は、寸分違わず全てヒットしていた。











攻撃は当たらないと勝手に思い込み、特に防御を怠った黄鬼はそれをまともに喰らっている。











「フン……猫の能力、ニャめんなよ」











猫と言うのは本来、人間や他の哺乳類のそれよりも三半規管が異常に発達している。










犬などとも違い車に乗っても吐かない事から、常に重力場・回転運動は安定し、その感覚は抜群に飛び抜け決して乱れることはない。











そんな猫に対して景色を歪ませる幻術など、片腹痛いもの。











全く効果はなかった