「眠り猫君! それは幻覚の炎だ! ヤツは幻術を操るスペシャリスト! 炎も本体も幻覚を見せて、本当にあるように見せてるだけだ!」












「ニャに!?」










その言葉を信じ、試しに炎を受けてみると、言った通りすり抜けるではないか。











狐火はまやかしの炎。




実在はしていないのだ。











「チッ! 頭がキレるヤツが居るみたいね……でも分かったところで私の本体は掴めないでしょ。永遠にさまようがいいわキャハハ!」









能力が見抜かれた途端に戦法を変え、今度は辺りに百人の彼女の幻影が現れた。










これが、黄鬼の能力の真骨頂だ。












「この化け狐。何て事はニャい。ようは、この中の一体が本物ニャろ?」











「フン、強がりを……それに、狸眠りの化け狸に言われたくないわ。さあ、100分の1がアナタに解けて?」












そう言いながら、百人が同じ様に攻撃の初動動作を見せる。











これでは、どれから攻撃が来るか分かったもんじゃない