「川久保が話し掛けられてうんざりしてた時に話し掛けず帰る。すっげーナイス。意外にやるじゃん。西寺。」
『はぁ?』
「だから、川久保も何回も話し掛けられて邪魔されたら嫌じゃん。それが帰る前でも…」
『うん…』
それは、私も思ったけど…でも本当によかったの?
「大丈夫、自信持てよ。それに女の子二人組に注意したんだろ?」
『なっ、なんで知ってるの?!』
「女に聞いた…なんか昨日練習教えてくれなかったけど、あの女に味方してんのか?!ってさ…」
『うそ…』
「大丈夫、あいつらには教えてないしたまたまだろって言っといた。あと、あの女の子は今のターゲットだって…だから大丈夫。安心しろ。」
才脇君……ってすっごく優しすぎない?!私、感動……
「昨日のお礼でデート一回な。」
『はぁぁあっ?!』
「昨日、教えてやったんだから、お前は俺のクライアントとデートすんだよ。わかったな?」
『えっ、い…』
嫌っていいたいけど…拒否させない顔をする才脇君。
「俺がタダでさ…お前に協力するとでも思ってんのか?あ゛?人生はギブアンドテイク…意味わかるか?お前ギブばっかさせよーとか思ってんじゃねーぞっ!!」
『は、はいっ!すみません…私、デート行きます…行かせてもらいます!』
あっ………というのと、才脇君がニヤッと笑うのは、ほぼ同時だった。
「日曜1時駅前。わかったか?金は全部あっち持ち…じゃーな!」
『………………』
最悪だ…本当、最悪。
才脇君が優しいなんて、全くのうそ!彼は悪魔だ!