あたしは力強く手を握り締める。 そして自分が何かを握りしめていることに気ずいた。 あたしが握りしめている物それはあたしが借り物競争のときに持ってきたもの。 黄色のテニスボールだった。 無意識でそのまま持ってきたのだろうか。 あたしはじっとボールを見つめた。 「………テニス…したいな。」 無意識に出てきた言葉にあたしは寂しくなった。 こんなんじゃだめだ。 段々と皆との距離が近くなっていく。