彼の意のままに世界は廻る。

そんな祖父は、暇な男で昔何て
ほぼ毎日、一人娘の嫁いだ先へ
遊びに来ては初孫である俺と妹
花夜子を、それはそれは可愛が
ってくれた。

と言うよりも、金に物を言わせ
何でも買い与え、それを愛だと
勘違いしているようだった。

次から次へと溢れるおもちゃ。

「お義父さん、困りますよ」

「・・・・・・
 
 さあ、おまえ達
 腹減っただろう
 
 出かけるとするか?」

こうして、料亭へ出掛けて行く
車内に、いつも父の姿は無い。

俺は、いつものように見つめる

「お母さん
 お父さんは?」

花夜子の声・・・