一夜は、愛しい芽衣子を
強くその胸に抱きしめた。

手当ての済んだ正二は居間に
布団を敷いてもらい、眠りに
ついている。

ぴったりと締め切った、襖。

ひとつの布団で眠りにつく
二人。

「ショウさん、ひどい怪我?」

「ああ
 
 あれぐらいで済んで
 良かった」

「・・・・・・」

布団から起き上がる、芽衣子。

「メイ?」

「何がいいの?
 ひどい怪我じゃない
 
 いっちゃん、おかしいよ
 あんなにひどいのに
 良かっただなんて・・・」

「メイ、あんな怪我
 おまえだって
 見慣れてるだろう?」