そう言って帰って行く一夜の
背中を見つめる会澤。

「親父、本気ですか?」

「ああ
 
 イチヤは、一筋縄じゃ
 いかねえ男だ
 
 おまえ等、気合入れろよ」

「おう」

会澤組の男達の雄たけびが
一夜にまで聞こえる。

「親父、戦争ですか?」

「ああ

 面倒くせぇ」

そう吐き捨てて夜空を見上げた
一夜は月へと手を伸ばす。

「親父、事務所へは?」

会澤組と一戦交える事に
なるかもしれないと夜更けに
集合する組員達。