「大事なもん、傷つけられて
 黙って帰るのも癪に障る
 
 遣るなら

 遣っちゃうよ?」

痺れる、一夜の瞳に誰一人
歯向かえない。

誰一人、動けない・・・

「今日のところは、ここまでだ
 放してやれ」

正二を縛っていたロープが
解かれる。
 
「ショウ、大丈夫か?」

「ああ、アニキ、すまない」

「いいって、気にすんな
 帰るぞ」

正二を支えて歩く一夜に
会澤は言う。

「イチヤ
 
 おまえは必ず
 この俺が叩き潰す」

「ふうん
 
 遣れるもんなら
 どうぞ

 死ぬのは、おまえだ」