「まだ
 あの事が許せないのか?
 あんな男に何の義理がある

 バカな男は、食われてお終い
 
 それが、この世界」

「ふうん

 おまえが言う?」

右側の口角だけを上げて
うすら笑う一夜。

「タカツキ、おまえ」

親をバカにされた男は、一夜に
殴りかかろうと手を振るい上げ
た。

「やめろ、話の途中だ」

怒鳴る会澤の声に、上げた腕
を下ろす組員。

「イチヤ、よく聞けよ
 
 おまえが幾ら、この世界で
 粋がって泳いでみせても
 
 後ろ盾のないお前の組など
 今の俺には簡単に潰せる」