「…羽菜(はな)!」


「んー、なに」




どこにでもあるような教室。自分と同じ制服に身を包んだクラスメートがたくさんいた。



その中で一際目立つ、色白肌の大きなパッチリ二重、窓から流れる風になびく茶系のセミロング。



幼い見た目とは違って、彼女が出す雰囲気は断然大人。



今時の中学生とは大分離れた彼女は机に伏せって眠るだけ。




「もう!聞いて!やばいの、今日ねライブハウスにJAGDYが来るの〜!」


「意味わかんない、その前にJAGDYって誰なの?」


「知らないの!?まじか!じゃあ尚更見に行かないと!」




…こいつと話してると、1日分の体力が失われてる気がする。



琴乃(ことの)の元気の良さはいいことだと思う。そのキャラもあって男女からも人気だし。



あたしみたいな頭の中が老人化してる人間から見れば、かなり疲れるけど。