『拓海、私ね、拓海のこと、愛してるよ。』 「紗香…ッ。」 私は拓海に力いっぱい抱き締められた。 「俺も、愛してるよ。 愛してるだけじゃ言い表せないらいくらい。」 『拓海、私と出会ってくれて、ありがとう。』 「こちらこそ。」 私たちは、 最初で最後の、 キスをした。 「じゃあな。」 『じゃあね…。』 最後に1度、 拓海は私の涙をぬぐって、 夜の闇に消えていった。