この声は……。 私は恐る恐る顔を見た。 “紗香、今の誰?” 男の声がして、 少し不機嫌な拓海の声が聞こえた。 『……ぃゃ。』 “紗香??” 私の呟いた声に、 心配そうな拓海。 『なんで、いるの?』 「紗香ちゃんと愛を育もうと思って♪」 “紗香??” 私は携帯を耳から話した。 『帰って。』 「やだ♪」 『今すぐ。』 「だから、やだっていってんじゃん。」 じりじりと近付いてくるやつ。