「…お部屋出たの久しぶりかも…」
あたし、数日部屋にこもってたね。
トイレもお風呂もお部屋にあるし、食事はほとんど摂らないとはいえ持ってきてもらうし…。
「いけないいけない…」
いい加減体を慣らさないと。
それに少しは運動しなきゃね。
で。えーと。
シュン達の部屋はどこだったかしら。
きょろきょろと辺りを見渡しながら歩き回っていると、廊下の曲がり角に人影を見つけた。
すぐに曲がってしまったから、誰かまでは確認しかねたけど……あれは、察するに父様だ。
どう考えても女の子ではなかったし、となれば残りは男の子…。
スーツを着ていたからシュン達ではない。
野木さんはこんなところにはいないし、父様かな?
タッタッタッと小走りで追いかけてその曲がり角を曲がるも、姿はない。
「ん?」
扉…。
ここに入ったのか。
そういえばここ、シュン達のお部屋だっけ。
父様、なんの用だろう?
ふと考えながらも、ノックでもしようかと手をかざした…瞬間だった。
『え……』
……ん?
『それってつまり…?』
『……ああ…』
『っ…どうして!? それならどうして…!』