――真裕サイド――
あれから三日。
父様は、一度も顔を見せないどころか何の連絡もよこさない。
これをどう受け取っていいのか迷う。
調べ中ということなのか…それともよくない結果だったのか。
…どちらにせよ、いいことではなさそうだ。
『マヒロ、具合はどう?』
『うん大丈夫。本当に一時的なものだから…』
『そう? でも無理しないでね』
『大丈夫だったら』
心配性なのかしら。
それともあたし……そんなになよなよしてる…? 今…。
メイリーの顔をまじまじ見ながら少し考えた。
『じゃああたし、シュン達の部屋にいるわね』
『分かった。ありがとう』
心からのお礼を言いながら片手を振ると、『ん』と笑顔で返してくれた。
あの笑顔を見るたんびに落ち着くというか…安心するというか。
「あ……」
これ…?
「あ、こらこら琥珀」
琥珀がくわえようとしたのは、恐らくメイリーの物と思われる携帯。
…まあ、くわえようとしたのはストラップだけど…細かいとこはいいとして。
「持ってってあげなきゃねぇ…」
忘れてるよーって連絡しようにも、その連絡先がここにあるんじゃ仕方ない。
まあどうせ同じ建物内だ。
そう思って、携帯片手にカーデを羽織って部屋を出た。