日本の宝院ほどではないとはいえ、うちだって相当な名門(のハズ)だ。
そう簡単に卒試通るわけはないけど…まあなんとかなるだろ、と思わざるを得ない。
なってくれなきゃ困るしな。
『ま、なるようになれだ…。な、ユウキ♪』
『俺はこないだまで真面目にやってたんだ』
『…それもそうだな』
それにこいつ、もともとアホみてェに筋がいいしよォ…。
クソ生意気な性格に合わねェっつーか。
「…あんたホントに、その遠慮のない物言いやめたほうがいいぜ」
「これが俺のよさだ」
「……」
第一、ユウキも人のことを言えた立場じゃない。
「それにお前ェ…ガキすぎだろ」
「は?」
「真裕への当たり方が思いっきり小学生だぜ」
「なっ……」
好きな女にはさ? もう少し素直になれや。
なんだよいつものあの言い合いは。
そりゃ見てる方は面白れェがな。
…っつってもまあ、真裕の心はこれから先なにがあろうと楓一筋だろうが。
それ考えると、あのままがちょうどいいのか…?
『えー…? でもまさか…』
『だって…』
『そんなわけないじゃない、大体…』
『……まあそれもそうね』
『でっしょー?』
…って、あっちはあっちでなんの内緒話だよ。