そう勝手に結論付け、話題をガラリと戻した。


『ともかく余計なことは言わねェことだ。親父さんも詳しく調べてるらしいしな』


やっぱり違った…と。

そういう、一番嫌な結果が返ってくるかもしれない。


それでも一縷の……ほんの一縷の望みに、俺達は縋りたかった。

それが決して望みとは言えない小ささでも、そう呼びたくて。

賭けるにはあまりに無謀な不利さでも、賭けたくて。

とにかく、願ったんだ。

楓に再び会うことを。




『あー……やっぱあたし、マヒロの部屋に行く。熱が上がったら心配だし』


『ん? ああ』


しばらく続いた沈黙が気まずかったのか、本当に真裕が心配なだけだったのか。

それはよく分からないが、メイリーが途端にそう言いながら立ち上がった。


『なあ…そういやさ、俺ら学校大丈夫なのかな?』


『ああ?』


『いや、だってもう新学期とっくに始まってるじゃん? 行かなくて大丈夫かなーみたいな…?』


『ああ……そういえば』


『って忘れとったんかいΣ(自分も昨日思いだした)』


まあ…もともとサボりがちだったし、少々いいんでねェの。

単位制じゃねェからな。

成績さえよけりゃいい。

そういう学校だ。


『でも俺らしばらく楽器触ってないけど』


『お前ェ……今バイオリンなんかやんのは、デリカシーのなさすぎにもほどがあんぞ?』


『わーってるよ。ただその成績すらも大丈夫なのかって話』


……なんとかなるだろ。