――シュンサイド――
『どうだった?』
真裕の様子を見てくると言って出て行った三人が、割合早くに戻ってきた。
即座に反応して聞くのはアッシュ。
『熱が出ちゃってるみたいだけど…よく分からなかった』
『分からなかった? なにが』
『だから…特にこう、落ち込んでるわけでも喜んでるわけでもないっていうか?』
ふ…ん……。
まあそれもそうだろうな。
ああ言われたからって、いきなりそうですかと浮かれるはずもない。
俺達だってぶっちゃけ半信半疑…いや、それ以上に疑ってる。
これまではそんな一言を…どんなに可能性が低かろうと、ゼロではないそれを望んでいたというのに、いざそう言われると「本当か?」と…。
まあ下手に信じて期待して裏切られてもな…。
「どうしたもんかね…」
ぶっちゃけた話、真裕に声もかけづらい。
その話題になっても困るし…。
かといって何事もなかったかのようにするのもなんかヘンだしなぁ。
「たく…。だいたい親父さんも、曖昧すぎるくらい曖昧な話なんか持ってくんなよ…」
「まあ確かにな」
ユウキの同意を得て、そうだろそうだろと頷く。
そうしながら、ふと思い出した。
「そういや、お前親父さんと会ったことあるのか?」
「いや…なかったと思うけど」
「そうなのか? …いやな、お前さんに初めて会ったとき、会ったことがある気がするっつってたんだよ」
で、誰だと聞かれたわけだが…会ってはないみたいだなやっぱり。
…まあそんなこともあるだろうて。