「なーなー、あいつって五十嵐じゃねー?」
私はココロがブルッと不安で震えた。
サッカーの試合の大会。
私はマネージャー。
部活のみんなのあとを着いて歩いてた。
そんな時だった。
フラッシュバックする。
「お前ノロいんだよッ!!」
そういわれ閉じ込められた
理科準備室。
ザワザワと響いてる
教室で
グッ……
「や…やめてよ……」
髪の毛を引っ張られ
ガシャンッ
筆箱の鉛筆が
投げ捨てられた
折れた鉛筆の芯を
ぼんやりと眺めていたあの日。
「あいつってさー、学校来てなかったのに、なんでここにいんのー?」
「だっせージャージ。相変わらず気持ちわりぃやつだなー」
…あれから何年経ってると思ってるの?
なんで私の事なんか忘れてくれてナイの。
そう思って私は俯いた。
学校に行けなくなって半年経っていた。
そんなある日
「ねーなんで学校こないのー?」
「クソ生意気なんだよ、ブスの癖に」
家の前で怒鳴られた。
外を覗いたら
「ブス」
「しね」
学校の黒板に使ってたチョークを
持って
家の前にそう書かれた時
私は頭が真っ白になった。
グス…グス……
私は泣くしか出来なかった。
ママは
「友達が来てるんだからおうちには入れないと…
けど…辛かったんだね…」
そう言ってくれた。
ピルルルル…
メールの着信音が鳴る。
私はハッと我に帰った。
どうやって帰ったか覚えてないや…。
そう思いつつ携帯を開く。
<受信メール一件>
その項目を開き、メールを確認する。
『お前大丈夫か?』
そんなこんなの一言メール。
ヤスノリだ。
同級生で同じサッカー部のDFをやっている。
私はカチカチとメールを返す。
『なんで?』
またピルルルル…と携帯が鳴った。
『お前、今日おかしかったから。』
私は驚いた。
そんなに、変わらない態度で、毎回恒例の試合前コントをしてたのに。
…なんで、分かったの?
少し混乱してきた。
いつも冗談ばかり飛ばしてたヤスノリには、しられたくなかったから。