クスクスと笑っていると、可奈ちゃんが興味津々そうにあたしに近づいてきた。
「愛ちゃん、なんでそんなに笑ってるの?」
「ん?あはは、えっとねー」
「愛っ!」
可奈ちゃんに教えようとブランコを離れようとしたら、沙月くんに腕を掴まれて、
そのまま、また座ってしまった。びっくりして、あたしはブランコの上で目を瞬かせる。
「もぉ、なに?」
「や。なに?じゃねぇし」
「いいでしょ?言っても。」
「ダメだから止めたの!バカ!」
ギロッと睨まれて、その顔があまりにも般若に近かったから、
あたしはそのまま黙ってあげた。優しいあたし。
当の本人の可奈ちゃんは、意味わかんないという顔で、あたし達をじっと見つめていた。