「ママっ、遊び行ってくるね!」
「気をつけてねー?」
「うんっ!」
そう返事をして、お気に入りの帽子をかぶって、勢いよく家の外に飛び出た。
日瀬 愛子、まだこの頃は7歳の小学2年生になったばかりで、
楽しい事も嫌な事もこれからの時期真っ只中だった。
住宅街の走り抜けて、突き当たりにある大きな公園。同じくらいの子供達がちらほらいた。
「はぁ、可奈ちゃんっ」
「あ、愛ちゃんやっと来た」
「疲れたぁ…ゴメンねっ」
「お、愛だぁ!遅いぞっ!」
友達の可奈ちゃんと、家が近くでいつも一緒の沙月くんがあたしに文句を言ってくる。
とりあえず疲れてるあたしは、適当に流してブランコに目を向ける。誰もいない貸し切り状態。