胸に響く花火の打ち上がる音を
しっかり覚えていたいと思った。

陽太との思い出を全て
刻み込んでいきたかったから。

そして1万発にもおよぶ花火は
全て消えていった。

「あ〜終わってもーたぁ。」
『また来年も一緒に来ような!』
「うん!」

そして二人は手を繋ぎ、
バイクを泊めてある駐車場に向かった。

陽太は人ゴミが苦手なあたしを
気遣いながら、
『雨降りそうやし急ぐで!』と
足早に歩いた。