そして『おいで』と言い、
陽太は両手を広げた。

あたしは迷う事なく
陽太に飛び付いた。

今まで誰にも語らなかった過去を
初めて打ち明けた相手が
陽太で良かったと心底思った。

汚れたあたしの過去さえも
受け入れ、
愛してくれた陽太。

気付かれないように
こぼれ落ちた一粒の涙をそっと拭うと、
陽太の肩が震えている事に気が付いた。

「…陽太?」