インターホンの音が鳴り、
ドアを開けるのが嫌だった。

目も合わせてもらえなかったら
どうしようと
一気に不安が押し寄せた。

ドア越しに写る陽太のシルエットに
泣きたくなった。

いつもなら陽太とバイトで会う日は
陽太のバイクのエンジン音が
聞こえてくるのが楽しみだったのに。

ねぇ陽太…
あたしの過去を受け入れきれなくても、
せめてバイト仲間として
普通に接してね?

そう思いながら、
あたしは従業員入り口のドアを開けた。