時計の針が5時を指した瞬間、
あたしは急いで更衣室へ向かった。

パパッと着替えを済ませ
荷物をカバンに詰めて
ふと時計を見ると、
まだ陽太が来るまで10分もあった。

会わずに済んだな、と思い
従業員に「お疲れ〜っ!」
と声をかけ、
店を出ようとした時、
聞こえたんだ。


陽太のバイクのエンジン音が。

“ピンポーン“