『離さない!』

「帰りたい!」

『ちゃんと話そう!
逃げないで!!!』


目を逸らさずに真っすぐ
あたしを見る陽太を見て
あたしは何も言えなくなった。

『ほんとにほんとにごめん…。』

そう言ってあたしを抱きしめる
陽太の腕の中で、
あたしは初めて泣いた。