言い争いは
なかなか終わらなかった。

というよりも、
陽太が事実を認めて
何度素直に謝ってきても
あたしの怒りが収まらなかった。

「っていうか、
荷物取りに行ったとか
そんなんあたしと付き合う前に
全部終わらせといたらいいやん!
前の女片付いてないのに
よく告白してきたなぁ!」

『ほんまにごめん。
杏の言う通りやわ。
何も考えてなかった…。』

「意味分からん!
どうせ2年も付き合った仲やもん、
キスでもして帰ってきたんやろ!」

『それは絶対ない!
そんな事してない!』

「嘘つくなや!
また理香さんとやり直したいって
思ったんちゃうん!?」

『俺はちゃんとあいつに
杏と付き合ったって言ったわ!
お前が悲しむような事は
何もしてない!』