自転車に鍵を挿していると
「杏ちゃん」と
声を掛けられた。


「なしたんですか?」

声の主は店長だった。


「いや、夜遅いから
せめて店の外までは見送ろうと思って。
まぁ酔い覚ましに
風当たりたいってのもあるけどね」

「あ〜ね。

「こんな時間まで飲んでて
陽太くん大丈夫?」

「今から帰って電話するんで
大丈夫ですよ〜」