もう少しで
日付が変わろうとしていた頃、
ずっと待っていた着うたが流れた。

音楽が鳴ってから
あたしが電話に出るのは
すごく早かったと思う。


「もしもし‥。」

『杏〜!ごめんな!
夕方から寝てもーた!』

陽太の声を聞いて安心し、
一気に不安が飛んでいった。

「心配したし不安になったぁ!
よその女とおるんちゃうかとか
自然消滅したんちゃうかとか
めっちゃ妄想してもーたやん!」

『ごめんごめん!ほんまにごめん!
杏泣いてないやんな??』

「泣いたわー!
でも今安心したぁっ‥。」

『不安にさせてごめんな?
お前とは別れへんし
女に興味ないから安心してや!』