電話を切ってからは
陽太は一度も立ち止まらずに
関東に入った。

次に電話がかかってきたのは
夜だった。


「もしもし陽太?」

『杏?電話遅くなってごめんな!
今日は横浜のホテルに泊まる事にして
今やっとホテル見付けたわ!』

「そうなんや!
運転お疲れさんっ!」


まだ新居には着けていないけど、
陽太が無事に関東に入った事に
ホッとした。

…寂しい気持ちもあったけどね。

でも、ただただ
愛しい陽太の声を聞けただけで
あたしは嬉しかった。