そのまましばらく泣いていると
ケータイのランプが光り出し、
音楽が流れてきた。

あたしは急いでケータイを手に取り、
通話ボタンを押した。


『杏っ!』

「陽太ぁっ…。」


電話の相手はもちろん陽太。

つい何時間前までかは
一緒に居たのに、懐かしく感じた。

そして声を聞いて、
絶望感でいっぱいになりそうだった
あたしの心は少し晴れていった。

『杏今何してた?』

「泣いてた!笑」