陽太は立ち上がり、
『…杏、準備出来たわ。』
と声をかけてきた。

「……うん。」


あたしの足はガクガク震え、
陽太が東京に行ってしまう寂しさを
全身で表現しているようだった。


そしてあたしは
ずっと…
ずっと我慢していた糸がプツンと切れ、
とめどなく涙がこぼれてきた。


笑って送り出したかったのに…
困らせたくないのに…



「……っ嫌やぁ…
陽太行かんといてよぉっ………」



こんな事言いたくないのに…