『…じゃあさ。
ちょっとだけ聞いてほしい話が
あるんやけど
あと５分だけいい？』

「え？何なん？」

あたしに聞いてほしい話って
何だろう…？
バイトを辞めるとか？
…それとも新しい恋の相談だろうか。

緊張と不安が一気に
あたしの中を駆け巡った。

あたしは今から
一人で傷つくのかな。

作り笑顔なら
長年の接客で慣れているけど、
今から聞かされる城野くんの話が
もし新しい恋の相手の話だったら
あたしはきっと笑えない。

帰りたくなった。