愛犬のルルを連れてくると、
陽太はニッコリ笑って
『ルル〜っ!』と駆け寄ってきた。

噛み付いたり
唸ったりはしないものの、
やっぱりこの日も
ルルは陽太になつく様子がなくて

『ルル〜何で俺になつかんの〜』

って陽太は残念そうにしていた。

陽太とルルの光景が
何だか微笑ましくって可愛かった。

少しの間
そっぽを向くルルの頭を陽太は撫でて
また荷物の準備に取り掛かったから
あたしはルルを家の中に入れた。

もうほんとに行っちゃうんだ…

どうしようもないんだ…

いつもの気まぐれのように
「やっぱや〜めた!」って言ってよ…

まだあたしは現実を
受け止めきれてなかったんだ。