『化粧する前で良かったな!笑』

「ほんまやわ!笑」

あたしはまた顔を洗いに行き、

「お〜っし!
もう泣けへんように化粧する!!」
と大声で言った。

鏡の前に座り、化粧道具を並べて
いつも通り化粧をしようとした。

『杏が化けていくとこ見よっと!笑』

と言う陽太の笑顔を見たら
あたしの意思に関係なく
また勝手に涙がボロボロ出てきた。

もう我慢しようとしても
自分でコントロール出来なくなっていた。