―…


陽太が動く気配で目が覚めた。
時計を見ると8時を過ぎていた。

「もう起きたん?」

『ごめん起こしてもーた?
目覚めてしまったわ。
杏はまだ寝てていいよ。』

そう言ってあたしの布団を
かけ直しに来てくれたけど、
あたしももう起きると言って
布団から出た。

顔を洗って部屋に戻り、
テレビを見ている陽太を見ると
また切なくなってきた。


これからは寂しくなっても
喧嘩しても
逢いたい時にすぐ逢えなくなる…


今まで陽太は
十分にあたしを愛してくれていたし、
きっとこれからも変わらず
愛してくれると思う…


でももし東京で素敵な人が現れたら…


お互い仕事が忙しくて
すれ違ってばかりになったら…


…陽太、離れたくないよ―…