「俺は好きな人出来たよ。」

ビールをテーブルに置いて、
城野くんは照れ臭そうに答えた。

「そうなんやぁ…。」

一気にテンションが
下がっていくあたし。

3年前は告白も出来ずに
諦めたから、
あたしは今日告白しようと思っていた。

だけど好きな人が出来たと
聞かされた以上、
また今回も告白出来ないと思った。

フラれる事よりも、
せっかく仲良くなれたのに
告白して今の関係が崩れる事が
あたしは怖くて。

また切なくなる気持ちを
グッとこらえ、
ニカっと笑いながら
「あたしも新しい恋してるよ!」
そう笑顔で答えてみせた。