何だかこれからのあたし達を
歌っているような気がして
あたしは気付いたら
静かに涙を流していた。

「陽太ぁ…。」

あたしの声が震えていた事に気付き、
陽太はあたしの正面に立った。

『…ごめん、切なくなったな?』

「うん…。」

『俺この前たまたまテレビで
この歌流れてるん聴いてな、
今のお前と同じような気持ちになった。

でもな、この歌の
一番最初のフレーズみたいに
俺はいつでも何処におっても
お前をこの腕で抱きたいと思うし、
歌詞と同じように
諦めるよりも信じたいねん。』

「うん…。」

『杏、いっぱい泣いていいから
俺が言う事ちゃんと聞いて?』

「何?…?」

『俺はお前と結婚する。』