あたしの両親は厳しくて
あたしは陽太の家に泊まった事がない。

陽太も
『いつか嫁にするから
今からちゃんとしとかなな!』と言って
遅くともいつも夜10時には
家まで送り届けてくれていた。

お父さんは陽太の事を知らないけれど
お母さんには陽太の事を話していて、
陽太の誠実なところが気に入って
「陽太くんと杏が夫婦になる日が
今から楽しみやわ〜♪」

と言ってくれていた。

「今日泊まりたい。
お母さん許してくれるはず。」

『もし怒られたら
俺が土下座でも何でもしに行くから
今日は一緒に寝ようか!』

そう言ってあたしは初めて
陽太の家に泊まる事になった。