「こんな部屋見たくない!
杏帰るから
言う事聞いてくれる優しい女探して!」

『待ってよ!
ごめんってば!』

部屋を出ようとするあたしの腕を
陽太が掴んだ。

「触んなや!」
『杏!落ち着いてや!』
「杏みたいなすぐ怒る女
陽太だって嫌やろ!」
『そんなん思ってないわ!』

大声でキーキー怒るあたしに
陽太も大声で返してくる。

「杏みたいな手かかる女より
癒してくれる女の方がええやん!」
『はぁ!?俺はお前やないとあかんねん!』
「そんなん言うて
浮気するに決まってるやん!」
『せぇへんわ!』

言い争いはおさまるどころか
どんどん激しくなっていく。