1月半ば。
陽太の家の近くで
二人で飲んでいた。

いつもみたいにふざけて
お互いをけなし合って笑っていたけど、
ふとした瞬間に見せる顔が
元気じゃない事に気付いた。

「陽太どしたん?元気ないやろ?」
『ん?元気やで!』
「あんた杏の事ナメてるやろ!笑
元気ない事ぐらい気付くわ!笑
杏、陽太の力になれへん?」

そう言うと陽太は笑って
ビールを一口飲み、話始めた。

『もうすぐ俺東京行くやんか。
色々と不安やねん。』

初めて聞く陽太の弱音だった。