笑いながら自転車で帰るとすぐに家に着いた。
『あっ、忘れてた!
これ、グローブ欲しがってただろ?
俺新しいの買ったからやるよ?
お下がりで悪いけど…ちゃんと磨いといたから』
スポーツバッグから刹那がずっと使っていたグローブを取出し、私に渡した。
「もらっていいの?」
『だって琉璃、欲しがってたじゃん!』
なんだかこのグローブから刹那の野球への思いが伝わってくる。
いつもこのグローブをつけて、頑張ってたの知ってるから。
「ありがとう!大事にするね!」
『おう!後ほらよっ☆』
野球ボールを渡してくれた。
こんなにもらっちゃった…
『これがなきゃ何も出来ないだろ?』
「だね!ありがとう!」
これ、今までもらった中で1番嬉しい。
刹那が使ってた大切な物だもん。
『明日用事あるか?』
「ないよ!」
『じゃあ、あの場所でキャッチボールしないか?』