だって私が好きな人は刹那だもん。



『そんな事気にしねぇからよ!』

「本当?」

『俺は嘘なんてつかねぇよ!約束する』



そう思えば、刹那はずっと嘘なんてついた事なかったよね。



「じゃあ、出来たら1番に刹那に歌ってあげる!」



って、何言ってんの私…

さっきまでの恥ずかしい感情は??

本当私って意味わかんない。



『楽しみにしてんな☆』

「うん」



やっぱり、刹那といると余計暑くなる…

太陽よりも熱い、ドキドキ感で…

うまく表せないけど。



『なぁ、琉璃、好きな人とかいんの?』



刹那に初めて聞かれた。

いつも恋の話しなんてしないし。

由明と旬くんの事も一切ふれなかったのに。



「いるよ」

『やっぱりな…』



そっと呟くように聞こえたのは気のせい?

刹那は私の答え聞いてどう思った?

関係ないって思ったのかな。



「刹那は?」

『いるよ…』



いる…んだ。

なんで、なんでこんなに寂しい気持ちになるんだろ。

わからない。

今の私には涙も浮かんでこない。



『誰だか知りたい?』

「うん」



本当は知りたくない。

お願い。

お願いだから、言わないで?

私、泣いちゃいそうだから。



刹那は急に自転車を停め、私の顔を向いた。



『琉璃が好き』