「ねぇ~琉璃、告んないの?
琉璃なら絶対OKもらえるって!」



私の手を握りながら見つめる由明。

でも、ごめんね。

自信ないの。

笑って手を振ってくれる刹那は、仕方なく振ってるのかな?って考えてしまう。


「無理だよ…」

「ほら!すぐ無理って言う!琉璃の悪い所」

「だってぇ…」



私はすぐに無理無理って言ってしまう悪い癖がある。

もう10年も由明と一緒だもんね。

由明とは小1の時に友達になり、今では大親友!!

なんでも相談に乗ってくれる。

恋のお悩みとかも…



「でも、あせんなくていいんだよ?」

「へ?」



由明は空を見つめてこう言った。



「“恋は空みたいに遠くない。
恋は雲みたいに逃げていかない”。
だって、琉璃の好きな人は、こんなにも近くにいるんだよ」



空は手を伸ばしても、何しても届かない距離。

雲は1秒1秒遠ざかって行く。

私と刹那の距離はそれよりも断然近い。



「だから顔あげな?」

「うん!」



由明は私のお姉ちゃんみたい。

身長も高いし、ウエストも細くて、顔も小顔だし、勉強も運動もできるもん。