鞄からiPodを取り出して、イヤホンを付けて音楽を聞いた。

イヤホン付けると、なんだか自分だけの世界みたいに感じられる…



「何聞いてんの?」

「あっ、この曲」



私はそう言って、片方のイヤホンを由明に渡した。

由明はそれを左耳に付けた。



「あっ、この曲私BEST3に好き!!」



こんなにテンション上がってるのにBEST3!?

じゃあBEST1位聴いた時のテンションはこれ以上??

由明って変に面白い。



「私もこの曲好きだよ」

「ほんと!?」



また由明の声が飛び上がった。



「由明しー」



私は急いで口元に人差し指を当てて由明に伝えた。

電車の中は静かにしないと駄目でしょう。

由明は「はーい」と小さな声で言った。


窓を見ると、A高校の野球グラウンドが見えた。

きっともうあの場所に刹那達いるんだ。