『琉璃のためにホームラン打ってやるよ』
この言葉が胸を弾ませた。
この時弾ませなかったら…
どうしてこの言葉を言ったんだろ?
でもね、ピッチャーは全然打てないんだよ。
打つより、ピッチャーは投げ続けなきゃいけない事知ってるの。
だから素振りする暇があれば、1球より多く投げてなきゃ駄目なの。
それなのに、どうしてホームランを選んだのだろう。
確かにホームラン打ってほしい。
今はそんな深い事なんて気にしてられなかった。
ただただ、嬉しかった。
「約束!」
『あぁ』
だから“約束”なんてしてしまった。
あの時に戻って、約束なんてしなかったら…
「もう1つ約束してくれる?」
『何?』
「無理しないでね」
この言葉が1番伝えたかったのに、刹那にとっては…
『うん』
「なんか楽しみ!試合いつだったっけ?」
刹那は私の髪に指を通し、『2日後』こう言った。
「応援しに行くね!」
『おう!』