壊れ物を扱うように、頭を撫でられる。

私は情けないばかりの人間。

誰かに涙を拭って貰ったり、上手く素直になれなくて、人に謝らせてばかり。



「ごめんなさい…」



迷惑ばかり掛けて。



「紀斗さん、ごめんね…」



変わるから。

人として大切な事をまた教えられたから。



「憂愛は謝る事ないんで」



「ううん…」



そんな事ない。

そんな事ないよ。

私の幼さがいけないんだ。

大人にならなきゃ。

悪いところ直さないと。



「焦るな憂愛」



彼には全て、お見通しなのかも知れない。