100%、あたしの前方不注意。



だからぶつけて痛む鼻を
押さえつつも、大慌てで
謝ったら――…。



「……廊下は走っちゃ
ダメだよ、如月さん」



「………え………!?」



上の方から降ってきた、
聞き覚えのある声。



ううん――聞き覚え
どころか、この声は――…。



「フフッ。その様子だと、
OKかな?」



その声は、さっき注意した
声よりははるかに小さい――

あたしにしか聞こえない、
囁き声だ。



「せ、先生――なんで
ここに――!?」



「うん? 別に、単なる
通りがかり」


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